Google re:workで語られている「効果的なチーム」に必要な"相互信頼"とは何なのか
以下のページを読みつつ、効果的なチームをつくるための要素を紐解く取り組みをしてるんですが、心理的安全性とセットで語られている "相互信頼" について理解が足りないので、調べてみたいな〜〜と思った次第です。 前提
Google re:Work - ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る に書かれていること
Google のピープル アナリティクス チームは、「Project Oxygen」というリサーチ プロジェクトによって、「優れた上司の条件」を突き止めることに成功しました。このプロジェクトの成功を受けて、Google の研究者はその後、Google 社内で効果的なチームの特徴を明らかにするため、同じ手法を用いて新たなリサーチを実施しました。アリストテレスの言葉「全体は部分の総和に勝る」(Google の研究者も、「従業員は単独で働くよりもチームで働いた方が大きな成果を上げられる」と考えています)にちなみ、「Project Aristotle」と名付けられたこのプロジェクトの目的は、「効果的なチームを可能とする条件は何か」という問いに対する答えを見つけ出すことです。
このコンテンツの中にある「効果的なチーム」に必要な要素を書いている要素で登場するのが、 心理的安全性 だったり 相互信頼 というキーワードです。 https://scrapbox.io/files/619e11559acc5600205a25eb.png
心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。心理的安全性の高いチームのメンバーは、他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていません。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があります。 心理的安全性って結局何なんだろう でも語られてましたが、誰でも自然に発言できる状況をつくるのはもちろん、議論やクリエイティブ・カオスを発生させるような挑発?的言動も受け入れられるような環境にあることを指すのだと理解しています。 (当然ハラスメントがない言動であるのが前提ですが)
心理的安全性は比較的意識・実現できてるかもしれないですが、結構肝になるのは本項であげる "相互信頼" だと個人的には思っています。 ここでは、相互信頼が高いチームメンバーが、クオリティの高い仕事を(しかも時間に収まるように)生む、とだけ語られてますが、詳細はジャーナルへのリンクが張られているだけです。ジャーナルの Abstract だけ読んでもよくわからんかった。
なので、一般的な定義からその正体を掘り下げたい。まずは"信頼"という言葉から。信頼は、言うなれば "自分の期待 ≦ 相手の結果" の式が成立する状態を指すようだ。 信頼(しんらい)とは、相手や対象に対し自分の期待した通りの結果が帰ってくることが信じられること。どれだけ信じられるかの定量的度合いを信頼性や信頼度という。 なるほど、ここから相互信頼に解釈を拡大していくと、お互いに"自分の期待値よりも高い結果が相手から返ってくること"を期待している状態を"相互信頼が高い"状態って言えるのかな。逆に相互信頼が低いと、「あの人からは、期待値以上の結果は返ってこないや」と諦めてる状態になりそう。そういった力学があるから、相互信頼が低い場合は"(他のメンバーに)責任を転嫁する"と言ってるのだろう。 期待値を下げることが相互信頼のために大事なわけではない
ここで、相互信頼を高めるには2つの選択肢がありそうだぞ?と気づく。それは、以下。
1. 期待値を超えた結果を返せるようにパワフルになる💪💪💪
2. 期待値を下げる📉
当然、1.は(とってもマッスルな考え方ではあるが)力学に沿って素直に働いてるように感じる。一方で、2.はどうだろうか。新しくチームに参加した方が慣れておらず一時的に期待値を下げる、というような仕方ない場合もあるのだが、長期的に見ると期待値を下げ続けてしまうことは力学の正しい使い方ではないように感じる。我々にとっては、相互信頼を高めることが目的なのではなく、チームの成果を最大化することが目的なのだ。なので、1.を目指す未来がチームの成果を最大化する方に近づきそうだ。 ただ、とある局面では期待値が高すぎることも問題ではあるので、きちんと期待値コントロールを行うことが大事そうだ。たとえば「xxさんはもっとできる!やればできる!!がんばれがんばれ!!!」という熱血モードが、結局その人をプレッシャーで押し潰してしまうケースも見受けられるはずだ。また、やったことないことに対して「xxさんならこんなの簡単にできるよね?やっといてね」というのは無駄に期待値が高いし、なんなら邪で雑なコミュニケーションで嫌だ。まあ、とにかく期待値は高すぎても低すぎてもよくないので、バランスよくいきたいものだ。
お互いの人となりを知ることで期待値をコントロールする
まあ、これに尽きる気はする。互いの力量がわかっていれば、どこまで期待してよいかが計りやすい。何が得意で何が不得意か、何が好きで何が嫌いか。個々に働く心技体にまつわる力学を知っておけば、それをどう利用できるかを考えられる。利用する、というのは言葉のあやで、要はチームとして連動して大きな力を出すために頭を働かせる技術を身につける必要があるのだ。
おわりに
ヘーゲルのいう相互信頼
(そんなことを書籍「精神現象学」に書いてあるらしいのだけど、まだ読み進めるのも #WIP でしてね......) (なんて↑で書いてるけど、ヘーゲルが相互信頼なんて言ってたかしら......)
(どこに書くべき話かわかんないけど)信頼をもらうには信頼を与えることから
20230105とかにも書いたけど、信頼を生むポジティブループをつくるためのきっかけとは自発的な信頼なのであって、無償の信頼などはなく、みんな何かに期待して信頼を投げかけている。如何にそこにいる皆を自然と信頼できるか。お金も地位も学歴も身分もないけど、貴方ならできるよ。映画「サマーウォーズ」の栄おばあちゃんを思い出すね。そうやって皆の背中を押すことが、巡り巡って自らの背中を支えてくれる。 効果的なチームをつくるには心理的安全性を構築した上で相互信頼やその上の積み上げを狙う、という旨であって、結局はそれを形づくる信頼のポジティブなループは何から生まれるかというと、単に自分が相手を信頼し始めることからなのだ。信頼できることがないから信頼しない、というのは、ただただ打算的に考えてしまっていて信頼のポジティブループの起点を失っている。それに明らかに他者の動きに依存していて、自発的ではない。現代の組織論は、いや古来から組織論というものは、どんなシステムかなんて二の次であって、そこにいる皆をいかに信頼する勇気を持つか、そしてそこにいる皆が信頼するに値するということを皆自身に実感してもらうことなのだ 参考
※参考にしたいけど未読